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スクリューの続き

2011/08/06(Sat) 22:33

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今日は朝から旋盤仕事
3000のスクリューシャフトの軸受け部分を作ってます

(画像は荒削り中)





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荒削りで大方削り、切り込み代を0.2~0.5ぐらいを残して冷めるまで休ませます

荒でガンガン切り込むとワークがかなりの温度まで上昇します
SUSは熱膨張が大きめなので、このヒート状態で寸法を仕上げてしまうと冷めた時に寸法内に収まらなくなってしまいます(どんな金属でも熱い時に仕上げてしまうと寸法がマイナスになってしまいます)


冷めるのを待ち(時間が無いので強制的に)今度はコンマ台の仕上げをするのですが、荒削りと違いキリコが細い糸状に出るので厄介です

僕は心の中で勝手にコイツをチン○毛キリコって呼んでます

このチ○ン毛は非常に危険です
SUS自体粘る特性の材質なのでこのチン○毛もなかなか切れる事は無く、不用意に手で引っ張ったりするとザックリと手を切ってしまいます

一見細い金属の糸に見えますが、顕微鏡レベルで見ると剃刀のように鋭く、またノコギリのようにギザギザになっています

僕は幸いな事にまだ指が揃っていますが、このキリコで指を切断してしまったり、不運にも巻き込まれて命を落とす人も居るようです
なので旋盤の下は常にきれいに掃除してキリコが巻き込まないように注意しています


でも掃除の時にウッカリ引っ張って手のひらをザックリと切る事も有りました
(今は絶対に引っ張ったりしない)








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それと角の処理ですが図面ではC面になっています
ソコソコ長い間色々な機械を組んだりばらしたりして思った事なのですが、角ってのはぶつけ易いです
ぶつける事事態タブーなのですが、最悪ぶつけてしまった場合にC面では角が変形してしまい、シャフトがベアリングに入らなくなってしまいます
ですがこの角がRになっていると最悪ぶつけてしまった場合に応力が分散してシャフトの先端が変形し難いです

工場など条件の良い場所ではぶつける事は有りませんが、現場など最悪な条件でオーバーホールしなければいけない場合などを考慮するとR仕上げが最適になってきます

設計の人は現場を知らないので何でもC面と書きますが、自社製品に限り勝手にR仕上げに変更する時が有ります

(外注受けや余所の図面の場合にはこんな考慮しません、勝手に変更すると怒られますので)




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さてと、旋盤が終わったのでフライスでキー溝を掘ります
内容自体はしょうもない仕事なんですが、これもまた一手間が掛かる加工です





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仕上がったシャフトの軸受け部分
動力側(長いヤツ)はかなり重たいですよ
先端の軸受けは小さいですがコレもまぁまぁ重たいかな?

真ん中のタバコはロングサイズです



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そして仕上がった軸受けシャフトをパイプにぶち込むのですが、穴よりもコンマ数ミリ軸の方を大きく仕上げているので、このままでは物理的に絶対に入りません




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小さいスクリューの場合にはアセチレンで十分間に合いますが、コレだけの質量になると加熱しても熱が分散して中々温度を上げる事が出来ません
またアセチレンバーナーのように炎が小さいと部分的な入熱になってしまいキレイに膨張させる事が困難です

このような場合にはカロリーの大きいレンコンバーナー(プロパン・・・LPかな?)を使って一気に温度を上げて行きます

最近は滅多に使う機会が少ないのですが、ナウターミキサーの羽のように分厚いSUS板のスパイラルを延ばしたりする場合にはコイツを使って焼いて曲げていきます






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加熱前には絶対に入らない雰囲気ですが、ちょいと温度を上げて膨張されてやるだけでスコンと入ります

でも難しいのは完全に入るまで温度が上がったのかを見極める事です
無駄に焼いても歪みを大きくするだけだし、逆に温度が足りないとシャフトを入れている最中に縮んでしまって途中でカナリ往生します

コツって言うか成功の秘訣は、適正な膨張に達したと思ったら迷わず一気に叩き込むです
途中で躊躇うとパイプがキュッと締まって今度はニッチもサッチも行かなくなります


何ですんなりと入る寸法で削らずに、こんなリスクを背負いながら焼バメする理由なのですが、ガタが有ると歪み修正の時に先端の振れを読み辛いのと、最大の理由は耐久性に差が出てきます
軽いシャフトの場合には静止状態から機動しても差ほど回転モーメントが発生しませんが、重量級のシャフトになると機動した瞬間に物凄くねじるトルクが掛かります
そのねじる力は弱い部分にストレスが集中して破断してしまいます
そう、溶接部分にストレスが集中する事になるんですよ
なのでノックピンを打ち込んで溶接で殺して耐久性を持たせるのですが、根本の造り方自体に問題があればいくらノックピンを打ち込んだ所で、長い年月を過ぎればいずれノックピン自体も破断してしまいます

なのでシャフトと本体パイプにはガタが無い方が良いのです
そんな理由で僕は焼きバメをして金属の熱膨張後の伸縮でガチッと締める方法を取ります

ブッチャけた話しなんですが僕は現場が大嫌いです
だって条件の悪い環境で仕事しなきゃいけなもんですから・・・
その悪条件の中で散々と目にしてきたのがシャフトの溶接部分の破断だったりもします
(ウチの機械じゃないっすよ)









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さーてと、ひと段落したからと言って休憩してるヒマも無いので溶接して早く仕上げねば

先ず一回目の溶接は溶け込みを深くする為に溶加棒を入れずに共着だけで溶接します

(ビートは凹状態)




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二回目の溶接で溶加棒を入れてビートを平らから凸状態にしています




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まぁ、二回目の溶接でも仕上げれるのですが、三回目にローリングで走ってビートを広げました

別にローリングしなくても良いんですけど、脚長が大きい方が見た目に安心かな?
それと普通のビートよりもローリングで付いたウロコ模様の方が見た目的にカッコよい?!

ローリングに対しては職人それぞれで賛否両論ありますが、僕は好きです
配管を溶接する時は楽だし早いし(細いのは除外)、脚長を稼がなきゃいけない時にも有利だし
それよりもこのウロコ模様が格好良いじゃない(自分的にね)


仕上がって全部組み立てたらどうせ見えない部分だし誰も気が付く所では無いんだけれど、もしもこのスクリューが何年後かにオーバーホールや修理等で分解された時に、その時に立ち会った職人が見て「お?」って思ってくれたら面白いかな?
そんな遊び心で機械製作してます






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さてと、スクリューを伸ばすか・・・

たまに「スクリューってどうやってシャフトに巻きつけてるの?」と聞かれる時が有ります

短いのは(自分の身長ぐらいまで)ジョウバンに立てて固定してホイストで引っ張って溶接固定して行きますが、今回のように長いヤツになって来ると横向きで伸ばした方が効率良く作業出来ます



ジョウバンに冶具を溶接して固定して、レバーなどで数枚毎に引っ張っては溶接で固定して行くと時間と手間の掛かる作業です



因みに自分の所の足場に敷いたジョウバンの長さが微妙に足りず、ナナメにして無駄に陣地を占領してみました

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テーマ:カスタム ジャンル:車・バイク

Category:仕事

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