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金属と熱

2014/04/28(Mon) 18:52

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みなさんこんちは、GWは目前いかがお過ごしでしょうか?
僕はですね、昨日の話なのですが久しぶりにAZのみんなとぶらりツーリングしてきました、やっぱ皆で走ると楽しいですね
それはそうと、昨日も言われましたが、よく皆さんに言われる事が有ります
「仕事やその他の作業中によく写真を撮る余裕が有るね」と
え~、そんな褒められると照れるなぁ~、ってのは冗談ですが、近頃は余裕が無いと言うか真面目に仕事をしているので、仕事関係の記事が全く無かったですね^^;
それよりも、このアブノーマルなパーツ製作ブログを見に来てくれている人が、普通の仕事の事を見て楽しいのかな?なーんて思っていたりもします
でも久し振りだし、日中は真面目に仕事をしている証明も必要かな、と?

前置きが長くなりましたが、そんな訳で久し振りだけどまたスクリュー作ってます
別にウチはスクリュー屋さんじゃないですよ
でもね、何でか良く解らないんだけどスクリューばっか作っているような気がします><
因みにこの前に旋盤がぶっ壊れた時は、画像のコイツの粗加工中の出来事でした


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先程の旋盤加工した軸は、スクリューの出力を受けるシャフトです
んで、スクリュー本体になる予定のコイツ(パイプ)ぶっ刺して溶接するのですが、言葉だけじゃ語れない、多くの経験と実績を元に一本のスクリューシャフトを作り上げて行きます



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先ずはですね、先程の旋盤で仕上げた軸をココに「スコン」と入れる訳なのですが
本気で「スコン」と入ってしまうと物凄く具合が悪いんですよ

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それは何故かと言いますと、モーターで駆動して(回転)当然の事ながらケーシングを接触しないように作らなければなりません
もしもスタート地点である出力部分にブレが存在すると、シャフトの長さにもよりますが遠くになればなるほどコンマ数mmの僅かなブレが、オーバーハングの先端になると数mmの誤差、数ミリなら可愛いのですが酷い物になるとセンチ単位で通りが狂ってしまう事になりかねません、そうならないように極力ガタは排除したい所なのですが、こんな感じで入らなかった話にならないんですよね・・・・・><




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しかし金属の面白い所は、加熱すると膨張して大きくなること


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先ほどまでは絶対に入らない寸法だったのに、バーナーで加熱して膨張させてやると「スコン」と入りました
パイプは丸のようで真円では有りません、この径と長さではウチの旋盤でボーリングできません
なのでどんぐらいの交差と入熱は殆どカンです
職人の人ならこの色で大体はばれちゃうかな?(苦)




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先にも書きましたが、金属の面白い事の一つ熱膨張です
熱膨張して内径が大きくならなくては、軸が絶対に入りません
現在の画像は入熱後すぐに軸を放り込んだ所の写真です・・・




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しかし軸に熱を奪われたり、放熱したりで温度が下がってくると面白い現象が起きます

先程まではパイプのキワまで軸が入っていたのに、冷めだすと隙間が出来るのです
モノにもよりますが、今回は約1mmぐらいって所でしょうか?
この現象の詳しい真相ってのは自分はまだ良く解ってません
昔は「パイプが締まって軸を押し出してるのかな?」とか思っていましたが
コレって熱膨張で部分的に伸びたのが冷めて、本来の長さ以上に縮んだのかな?ってのが最近そう思ってます



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熱を持っているうちに真横にしたりすると自重の関係で少し曲がってしまったりする時が有ります
だからって水を掛けたりして急令するのは良くないです
サイズ的に許される場合は真っ直ぐに立てて、ユックリと時間を掛けて常温になるまで待ちます




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常温になった後です
まだ溶接していませんが、ガッチリと締まっているので絶対に抜けません
世の中には色々な職人が居て、色々な流派(やり方)が有るので、あんま偉そうな事は言えませんが
ここの差込のガタが大きいと良いスクリューは完成しません
この後に溶接出来る部分は御覧のように軸とパイプの繋ぎ目のみ
何かしらの理由で強大なトルクを受けた時に軸とパイプの溶接が割れてしまい、空転するのを防止するのにノックピンを打ち込んで溶接で殺したりはしますが、ココにガタが有ると根本的な強度が低くなり、先に書いたように溶接割れの確立が高くなってしまいます
また、完成後の軸の通りに狂いが生じ易く、歪み修正をしてもシャフトが蛇行して見えたりします


常温になってシャフトの溶接前に一応現状のチェックをしてメモしておきます
車もバイクもこんな機械にも共通する事が有ります
それはキッチリと現状を把握する事です


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パイプと軸を溶接しました
再び常温になるまでジッと辛抱して、再びダイヤルゲージを当ててどれだけ歪んでしまったかをチェックします
今回はコンマ数mmのフレ幅ですがが、何事も基準がシッカリとしていないと後々に何が悪いのかが解らなくなってしまうので、現段階でもソコソコキッチリと歪み修正を掛けておきます

先程は、金属を加熱後に急令は良くないと書きましたが、今度はポイント毎に入熱して水を掛けて一気に急令します
ご存知の通り金属は加熱すると膨張します、しかし熱が冷めて伸縮すると今度は元の状態よりも少し縮んでしまいます、コレが良く耳にする熱歪みって現象です
しかし逆にこの伸縮時に急令すると更に縮んでしまう事を利用して、先端のフレを真っ直ぐな状態に戻してやります


昨日だれかが「金属は加熱して冷やすと比重が変る」と話をしてくれました
その時はピンこなかったのですが、比重が変ると言うよりも組織が締まって小さくなる?=比重が変るのかな?なんて思ったりもします
自分はまだまだ知らない事の方が多いのですが、金属はもの凄く奥が深いんだなぁと思います





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テーマ:カスタム ジャンル:車・バイク

Category:仕事

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2014/04/29(Tue)14:41

物好きなひとりごと

鉄の密度(比重)が加熱では大きくは変わりませんが、顕著に差が出るのは鉄を作る際にできるスラグと言うものです。

鉄を作る為には 鉄鉱石を高温で溶かすのですがその時に出る副産物がスラグと言うものです。
このスラグは 簡単に言うと高炉スラグと製鋼スラグというものに別れ、なお且つそこから用途別に何種類かに別れます。
例えば高炉スラグは真っ赤に火の出ている状態から自然放冷すれば岩石状に、また急激に冷却処理すればガラス質で粒状になり、全く違うものになります。
また、処理する時間が違えば品質の違ったもの(密度の違い等)になってしまいます。

私は決して製鉄所の回し者ではありませんが、made in japan、モノ造りのプライドは世界一やと思います。
決して私は鉄は作っていませんが><

jp-akaiも天下一品やで~

名前:南悪代官 (URL) 編集

2014/04/29(Tue)17:01

悪代官様

何時も思うのですが、本当は何者ですか?(笑)

名前:akai (URL) 編集

2014/04/29(Tue)18:58

私はただの平民です。
時折何かが舞い降ります。

名前:南悪代官 (URL) 編集

2014/04/29(Tue)19:32

こんなに大きな物で、精度を出すのは、大変な事なんでしょうね。

しかし、POZ代官さんは、何者なんでしょう!?(笑)

名前:Nikkor (URL) 編集

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